病気や障がいをもつ子どもたちに遊びを通じて「心の栄養」を

3月9日(日)開催「第19回病児の遊びとおもちゃケアフォーラム」は、盛会のうちに終了いたしました。
第1部「基調講演」、安梅勅江氏・松本宗賢氏による「子どもたちの笑顔と共に創る遊び支援の輪~共創ウェルビーイングのすすめ~」では、共創ウェルビーイングの5つの要素と、コミュニティ・エンパワメントの7原則について学びました。詳しくは、安梅研究所のWEBサイト「エンパワメント教育研究フォーラム」をぜひご覧ください。
安梅勅江氏著作の一部を無料で閲覧することができます。

フォーラム参加者は、おもちゃコンサルタント、プレイリーダー、看護師、保育士、作業療法士など、その多くが病児や障がい児支援に関わる方々です。そして、当法人が実施した「難病児のためのおもちゃセット“あそびのむし”寄贈事業」のおもちゃセット寄贈先240施設からも複数の参加があり、遠くは沖縄からも東京まで足を運んで来られました。

ウェルビーイングのワークショップでは、参加者同士で意見を交わし、発表の場もあり、会場全体に一体感が生まれました。発表グループには、松本先生から「共創ウェルビーイングの絵本」をプレゼント!
写真:(右上)安梅勅江氏(筑波大学医学医療系 教授)、(右)松本宗賢氏(令和健康科学大学看護学部看護科 講師)

安梅先生から参加者の皆さんへ「エンパワメント=湧活(ゆうかつ)とは、人々に夢や希望を与え、勇気づけ、人が本来持っている素晴らしい力を発揮させること」「“あそびのむし”遊びは、しあわせを一緒に作る力を育む最高の共創ウェルビーイング。皆さんのすばらしい活動を、皆さんご自身が発信してください!」という力強い後押しがありました。
続く「活動報告」は、おもちゃを使った遊び支援について「重症心身障害児デイケア施設」「病院」「訪問支援」と、3つの異なる現場からの報告。お子さんとの関わりについて、より詳しい実例が紹介されました。
<参加者の声>
- 共創ウェルビーイングという言葉を知り、1人ではウェルビーイングになれない、人と共にあるからこそHAPPYになれるというお話がとても勉強になりました。
- おもちゃセット「あそびのむし」で遊ぶことで、お互いに楽しみ、楽しい空間を一緒に作って引き出すのがすばらしいと思った。
- 実際のこどもたちと関わっている様子など、活動報告でよくわかりました。
- あそびの大切さをすべての大人が認識できる社会を創っていきたいです。
お昼を挟んで、第2部は4つのテーマの「分科会」と、15団体のブースが一同に集まった「体験ワークショップと展示」。参加者は事前に申込した内容で学びます。

4つの「分科会」
①訪問型・地域連携遊び支援
②病院・クリニックでの遊び支援
③リハビリ専門職による療育支援
④重症心身障害児の遊び支援
<参加者の声>
- 病院でこども達が感じるマイナスな気持ちに対して、おもちゃがいかに意義のある役割を果たすのかということがよく分かりました。
- 関わる上で私達が立つべき視点である、こども権利条約についての説明もあり、とても参考になりました。
- 実際に「あそびのむし」のおもちゃを活用してのケアを知ることが出来た。
- 医療的ケア児等支援センターの活動に活かすヒントを頂けました。
- 「できないって決めないで、やってみよう」という気持ちの大切さがつたわりました。
- リハ職の視点や例題での内容を聞くことができ、上手く反映できるように計画していきたいと思います。
- どの施設の方も大変興味深く、そして悩みも同じで深くうなずく部分が多くありました。
- 心が動けばカラダが動くワクワクドキドキを伝える保育士で私もいたいとおもいました。
- 重身の方の遊びについて学べる機会は本当に少ないので、この様な場を作っていただける事、発表していただける事はとても良かったです。
「体験ワークショップと展示」
病児、障がい児の遊び支援に係る団体による15のブース出展。





<参加者の声>
- 自分では思い付かないアイディアが豊富でとてもおもしろかったです。
- 様々な工夫がされたおもちゃがたくさんあり、遊びの知識を増やすいい機会になりました。ありがとうございました。
- 今後取り入れていきたいスイッチをたくさん見る事ができ、とても参考になりました。
- いろんなおもちゃがあり、特にボタンを押すと…というおもちゃは今導入したいと思いました。
- ワークショップで興味のある内容が多く見て、体験していたら時間が過ぎてしまいました。
- 色々なおもちゃに触れて、実際私が「楽しかった」です。それと同時にこんなに色んなおもちゃがあるのかと感じ、可能性を感じました。
今回、6年ぶりの会場開催となった「病児の遊びとおもちゃケア」フォーラム。コロナ以降はオンライン開催が続いておりましたが、やはり人と人が直接会い、触れ合うことは何よりも代えがたい喜びです。
芸術と遊び創造協会は、病児にとっての遊び・おもちゃの大切さをこれからも伝えていきます。